神剣幽助(しんけんゆうじょ)

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時の帝・一条いちじょう天皇より、三条宗近さんじょうむねちかの許へ、刀を打って献上するよう勅命が下ります。しかし相槌あいづちを打つ相手がいない宗近は困り果て、三七日(二十一日間)精進潔斎しょうじんけっさいし、稲荷大明神いなりだいみょうじんに助けを請います。すると稲荷大明神が現れ、眷属けんぞくの狐に向こう槌を打たせ、見事に刀を打ち上げます。打ち上がった刀は「小狐丸こぎつねまる」と名付けられ、一条天皇に献上されました。

三条宗近
一条天皇の御代、京都の三条に住んでいた刀鍛冶。実在の人物で、名刀「小狐丸」も存在したという。

稲荷大明神
宇迦之御魂神うかのみたまのかみなどの穀物の神の総称。日本では現存する神社が二万社とも三万社ともいわれる有名な神。古来、狐が稲荷大明神の使いあるいは眷属であるといわれてきたが、江戸時代に入り、狐そのものが稲荷大明神であるとの誤解が広まった。


稲荷大明神の眷属。

三条宗近の
うたい

舞い納めたら刀を検め、一打ち槌を打ち、続けて何度か打ち続けるが、うまくいかない。進退窮って稲荷大明神に救いを求めるべく、奥に向かって謡をうたう。

かけまくもかしこき稲荷大明神のみ前に申さく。
いま打ち奉る御剣みつるぎをやえだちの小太刀こだちとなし、
さきわえたまえと謹んでまをす。
ともに刀を打つ三条宗近(左)と狐(右)
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