熊襲征伐(くまそせいばつ)

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「日代の宮(ひしろのみや)」で熊襲征伐に出立した小碓命おうすのみこと
熊襲くまその館では、新宝楽(新築落成の祝宴)が行われていました。小碓命は倭姫命やまとひめのみことよりたまわった被衣かつぎをまとって女人に扮し、祝宴に紛れ込みます。 思わぬ美女の登場に気をよくした熊襲と従者たちはしたたかに酒を飲んで眠ってしまいます。 そこで小碓命は被衣を取り、隠し持っていた剣で熊襲に戦いを挑みます。驚いた熊襲はまず従者を立ち向かわせますが、あえなく討たれてしまいました。 従者たちに泣きつかれた熊襲はいよいよ自分の出番、と小碓命に挑みますが、勇猛果敢な小碓命には勝てず、ついには降参します。
左から、被衣をまとった小碓命。熊襲八十烏師。熊襲の従者たち。

小碓命
景行天皇の皇子で大碓命の双子の弟。のちの日本武尊やまとたけるのみこと
天皇の命により熊襲征伐に出立する。

熊襲八十烏師
南九州一帯に勢力を持ち、大和朝廷に反逆する首領。


熊襲八十烏師と小碓命のうたい
「熊襲征伐」の終盤で熊襲八十烏師と小碓命による謡(神楽の声楽)が披露される。

熊襲「暫く 暫く その御剣たち 動かし賜いそ いまし 何神なにがみにて候ぞ」
   (しばしお待ちを。その剣を動かさないでください。あなたはいずれの方ですか。)
小碓命「纏向まきむく 日代の宮にいまします 天皇すめらみことの御子 名は倭男具那やまとおぐなと申す
    (私は纏向の日代の宮におられる天皇の皇子、倭男具那と申します。 
    なんじ 熊襲 無礼なるが故に 取殺とやれとのみことのりなるぞ」
        そなたが天皇に無礼をはたらくというので征伐せよとの詔を賜りました。)
熊襲「西の国において 我より強き たけあり 今よりのち御名みな日本武尊やまとたけるのみこと と 捧げ奉る」
   (私より強き者がいるとは。どうぞ日本武尊の御名を捧げ奉らせてください。)
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